夢で逢えたなら~後宮秘談~
第2章 揺れる、心
上座に位置する大王(テーワン)大妃(テービ)を中心に、一同がぐるりと大王大妃を囲むように座っていた。その前には各々、小卓が置かれており、海の物、山の物をふんだんに使ったご馳走が並んでいる。着飾った側室たちの傍をお仕着せを纏った数人の女官が給仕のために忙しなく行ったり来たりしていた。
「皆、本当によく来てくれましたね。初めての桜の花もいよいよ咲いたことだし、これから一年でいちばん良い季節になるわ」
「私たちは毎年、この大王大妃さまの宴に出席させて頂くのを何よりの愉しみにしております」
大王大妃のすぐ隣に座った沈(シム)貴人(キーイン)が如才なく言った。
「皆、本当によく来てくれましたね。初めての桜の花もいよいよ咲いたことだし、これから一年でいちばん良い季節になるわ」
「私たちは毎年、この大王大妃さまの宴に出席させて頂くのを何よりの愉しみにしております」
大王大妃のすぐ隣に座った沈(シム)貴人(キーイン)が如才なく言った。