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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 だが、そこは流石に素知らない風で、朗らかな声で緊迫を孕んだ沈黙を破った。
「それにしても、このように愉しい宴に出席できないとは、金淑儀もつくづく気の毒なことよ」
「あの方はいつもひっそりと控えめでいらっしゃいますから。案外、華やかな宴の席は苦手でいらっしゃるのかもしれませんわ」
 暗に金淑儀が仮病を使ったのではないとほのめかす沈貴人に、末席にいた小柄な女性が小首を傾げて見せた。
「あら、それはどうかしら。大王大妃さま、実は、私、思いがけない嬉しい知らせを存じておりますの」

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