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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 金淑儀は大人しいだけの従妹とは異なり、野心を抱いて後宮に入った。その分、自分より家柄も美貌も勝るこの沈貴人には、いつも我が物顔にふるまわれて、悔しい想いばかりさせられてきたのだ。やっと溜飲が下がった心地で、涼しい顔をしていた。
 ―それらのやり取りを百花(ベクファ)は少し離れた場所から、他人事として聞いていた。全く、呆れるというか、馬鹿げた話である。
 国王に初めての御子が生まれるというのは、むろん百花も国民として、後宮に仕える女官として嬉しい話に違いない。国にとっては何よりの慶事だ。

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