甘すぎて気絶
第7章 体育教師の恋
今日も放課後遠藤が教官室に訪れた。
ほかの先生たちは遠藤をかまいながら帰っていく。
「セーンセっ!」
見える。俺には尻尾が見える…。
パタパタと駆け寄る遠藤につい口元がゆるむ。
「今日、俺見回りだけど。ついてくるか?」
ほんとは生徒は帰さなきゃいけないが
つい遠藤を誘ってしまった
うんうん!一緒にいく!
と予想通りの答えと反応。
今日はおともを連れての見回りだ。
見回り中も俺をニコニコ見つめる遠藤。
「なんだ??俺なんか見て楽しいか?」
あんまり見るので聞いてみると
「うん!センセってどんな人かなー?って!
想像してるの!
好きな食べ物はなにかなー?とかー
嫌いな食べ物はなにかなー?とか!」
予想外の可愛い答えにぷっと吹き出す
「ははっ、なんだそれ
直接聞きゃいいじゃねぇか」
「えっ!いいのー??
じゃあ、質問します!答えてね?」
うきうきし出した遠藤に、鍵を確認しながら
おぅ、と短く答える。
「じゃあ、好きな食べ物と嫌いな食べ物は??」
「好きな食べ物は肉と魚。
嫌いな食べ物はあんまりねぇけど…ブロッコリー…」
ぶろっこりぃー?と聞き返す遠藤に
なんか、盆栽みたいだろ、アレ。と返すと
センセ、子どもみたい、と笑われた。
「じゃあ、好きな色は?」
「あー、黒?か?あんま考えたことねぇな。」
3階まで上りきってA組を見回り、B組へ。
「じゃあじゃあ……
か、彼女はいますか??」
「あ?」
急に質問の種類が変わって驚く。
遠藤をみると顔が真っ赤であの日を思い出した。
初めて遠藤が教官室に来た日。
「いねぇよ、んなもん。」
できるだけ、素っ気なく返す。
動揺すんな、俺。
こんな質問他の生徒にも散々されて来た。
交わし方だって身につけた。
なのに。遠藤に聞かれるとこんなにも動揺する。