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甘すぎて気絶

第8章 スーパーヤギヌマ



「おまたせしました」

裏口から出て表に回るとガードレールに寄りかかって
スマホをいじるお兄さん

「いや、なんかすみません…」

ぺこり、とお辞儀をして、
世話になります、と言われた


2人で坂道を歩いて、私のアパートへ。
道中あんまり会話はなかったけれど
あたしは別に沈黙も気にならなかった

鍵を開けてどうぞ、と促すと
もそもそと靴を脱いで上がった

彼氏と別れて二ヶ月半。
それ以来男性をあげたのは初めて。

でも男の人っていうか……
野良犬拾ってきた感じが近いかな!?

テレビをつけて適当に見て待っててもらうように伝えた

やかんを火にかけて、お湯を沸かして

その間に冷蔵庫の食材をチェック
卵、牛乳、人参、玉ねぎ、ピーマン、
よし、オムライスくらいなら作れるかな。

お肉はー…ない。から、
仕方ないエビでも入れるか。
ないよりマシよね!

冷凍庫から出したエビを水を張ったボウルに入れる。
それから、塩も。
冷凍のエビを戻す時は塩水がいいって。
鈴木さんが教えてくれた。


それから冷凍していたご飯をレンジで解凍して
野菜を細かく切っていく。


お兄さんの方をちらりと見ると
あたしがつけたときのままの番組を真剣に見ている

やかんのお湯が沸いたので
お兄さんに温かい麦茶を淹れる。

「はい、お茶どうぞ〜」

マグカップを手渡すとまじまじと見つめるお兄さん

「麦茶です。苦手じゃなければ…」

「あ。いや。麦茶ってホットでも飲めるんすね
俺冷たいのしか飲んだことなくて」

ふーふーと何度も冷ましているところを見ると猫舌?

あたしには少し大きいマグカップが
ちょっと小さく見えてしまうのが
男の人の不思議だなあ…
なんて思いながらキッチンに戻る


野菜とご飯、それからエビを炒めて
ケチャップで味をつける
塩胡椒もすこしいれて味を整えたら
卵を割り溶いてフライパンへ。

卵で包むのも割とうまくできて
あたしとしては上出来だ

お皿に盛ってケチャップで
にこにこのカオを描いたら完成!

ちょっとこどもっぽかったかな?

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