甘すぎて気絶
第8章 スーパーヤギヌマ
バイトを終えて外に出ると
いつものガードレールにお兄さんの姿がない
あれ、今日は来ないのかな、と
少しがっかりしているとピコンっと携帯が鳴った。
メッセージアプリを開くとそこには
ー 悪い、今日遅くなりそうだからやめとく ー
お兄さんからのメッセージ。
前にも何回かこんなことがあって
仕事が終わりそうにない日とか
遅くなりそうな日があるから、と
知らせるために連絡先を交換した。
別に気にしなくてもいいのに。
ー 今から帰って作るのであたしも遅くなりそうです
今日のメニューはタンドリーチキンです
もしお腹が空いてたらどうぞ遠慮なく! ー
最後にニコニコマークをつけて返信すると
すぐに既読がついた
ーうまそ。半までに終われば行く ー
やった!
さっきまでのしょんぼりも吹き飛んで
一気にまたウキウキ気分
了解、のいぬのスタンプを送って携帯を閉じた
このいぬのスタンプはお兄さんに似てて
思わず買ってしまったスタンプ
お兄さん専用のスタンプだったりする
家についてさっそくタンドリーチキン作り。
アプリを見ながら調理していると
ピンポーン、とインターホンが鳴った
時計を見るとまだ半より少し前。
思ったより早かったのかな?
「はーい!いまあけまーす!」
パタパタと玄関に走ってドアを開けると
「…久しぶり、亜衣子。」
そこには数ヶ月前に別れた元カレ健太が立っていた。