
甘すぎて気絶
第6章 オオカミさんとウサギちゃん
給湯室へ向かう途中で
先輩(ちゃらいって噂!)にご飯に誘われたけど
残業だって断ったらすごくからかわれて
なんだかすごくブルーな気持ちが濃くなった気がする
あーあ。
あたしなんでこんなに機械弱いんだろ
給湯室には庶務課全員でお金を出し合って買い揃えられたコーヒーや紅茶、ジュースが置いてある
ほぼあたしが飲み漁ってるけど。
がさがさと乱暴に紅茶の袋を引ったくって紅茶を淹れた
「はぁ‥仕事できるようになりたいなあ‥」
紅茶を一口飲んで思わず愚痴がこぼれた
給湯室での1人反省会は毎日のことで
なんだか今日は涙が出そうなくらい悲しい気分
はあ、とまたひとつため息がこぼれたけれど
幸せが逃げる気がして思いっきり吸い上げた
「へぇ。」
背後からの突然の声にびっくりして振り返ると
壁際にもたれて煙草に火を付ける噂の黒澤先輩の姿があった
