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甘すぎて気絶

第6章 オオカミさんとウサギちゃん



「真琴」

耳元で名前を呼ばれて
はい、と返事をする声が上擦る

あたしの名前知ってたんだ‥‥

真琴、ともう一度あたしを呼んだ先輩に返事をしながら顔を向けるとあたしのおでこにコツンと先輩のおでこがくっついた


うぎゃ!変な声が漏れそうになるのをぐっとこらえて先輩を伺う


伏し目がちにため息をついたかと思うとゆっくり視線が絡んだ

「‥‥お前に惚れてる」


先輩とぎゅーしてる幸せ!とか
呑気なこと考えてたの誰だ!‥あたしだ!


先輩の腕の中でドキドキして、
でも不思議と安心していて
眠たくなりそうな心地よさから急に飛び跳ねたあたしの心臓


ぎゅうっと胸が締め付けられる

視線が絡んだまま見つめ合うあたしと先輩


あたしも好き、と伝えたいのに
言葉が出てこない


うれし涙で先輩が滲む

ぐずぐずと鼻を啜りながら頷くのが精一杯で
先輩にあたしの気持ちが届くように何度も頷いた


「都合よくとらえていいわけ‥?」

おでこをぐりぐりと擦り付けながら少し微笑む先輩にぎゅうっと強く抱きついて答えた

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