黄色い恋 ~kazunari ninomiya~
第7章 『かず』
うわ、やば…!
今の絶対不機嫌なったし、
麗「や、取ってくるから、ここで待ってて…、」
あたしは教室に戻るため、走りだそうとした。
と、
ー『パシッ』
二宮があたしの腕を掴んで不機嫌そうな顔で口を開く
和「俺も行く。お前1人で行かせたらどこ行くかわかんねぇからな」
何、その信頼の無さ。
まぁ、できることならそうしたい。
もっと言っちゃえば教室にカバン取りに行くのだってやだもん。
ファンの子達に何言われるか、されるか
考えただけでも恐ろしい。
麗「…うん…、」
しかもこいつと一緒とか…、
もっとこえー!
和「ほら早く」
二宮はそのままあたしを引っ張って教室に向かい始めた。
あぁー気が重い。
そんなことを考えたところで仕方ないけど…、
麗「……ん?」
あれ、桜じゃん?
前方から桜とおぼしき人物がこちらに向かって走って来る。
和「どうした?」
二宮はあたしの方を見て聞いた。
麗「いや、あの子…、」
桜「おーい!麗菜ぁ!」
やっぱり!
麗「桜ー!」
ブンブン手を振ってあたしは桜を呼んだ
和「なんだ、あいつのことしってんのか」
麗「うん。あたしの友達」
桜はあたしのもとへと走ってきて、肩で息をする。
桜「ハァっハァっ!よかった、間に合った…!はい!麗菜!」
見ると桜の手にはカバンが握られていた。
麗「え!わざわざ持って来てくれたの?!」
あたしは桜からカバンを受けとって聞いた。
桜「うん、麗菜、このまま帰るのかなぁ、って思って」
桜ーー!
あなたは神様だよ!
麗「ありがとうー!助かったよ!」
桜「あれじゃ教室戻りにくいでしょ」
桜は笑って教室を指差す。
麗「うんうん!」
桜の気遣いのお陰であたしはとりあえず、救われた。
和「……おい」
二宮はあたしを肘でつついてまた、不機嫌な顔を向けてきた。
桜「あ!ごめんごめん!帰るんだよね、じゃあね、麗菜!気をつけて!」
桜はそう言うと行ってしまった。
和「…………お前、友達のことパシッてんのか…、」
麗「ちがーーーーう!!」