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黄色い恋 ~kazunari ninomiya~

第8章 ケンカ




麗「いい加減にするのはあんたらでしょ?何?あたしにこんなことして何がしたいわけ?二宮があんたらを好きにでもなると思った?」


別にあいつの好みなんて知らないし知りたくもないけど、

こんなことして好きにはならないでしょ。

だいたいみんな。


「……っ!二宮君に対してあなたどう思ったるのよ!!どうせ、下心持って二宮君に近づいてるんでしょ?!」


あたしがあいつをどう思ってるか?



麗「……………………どーーーーーでもいいんだけど」

「…………は?」

女子達は腕を組んであたしを睨む。

いや、だってべつにあたしはこの子達みたいにあいつが好きなんじゃないの。

むしろ嫌いだから。


麗「何?あたしがどう答えればあんたらは満足なわけ?そうやってぞろぞろ友達かなんかしらないけど引っ張って来てさ、あんたらはあたしに何がしたいの?関係ないでしょ。好きなら好きでいいじゃない。そうやって二宮の回りにいる女子全部潰していくの?ほんと暇だね。そんなことしてる暇あったら二宮と付き合えるぐらい自分磨いたら?」

あー、

やりすぎたな。

怒りに身を任せすぎた。

そうは思っても言っちゃった言葉は取り消せない。


「あんたっ…!あたしら馬鹿にするのもいい加減に…!」

先頭に立ってる女子があたしに向かって腕を振り上げた。


やばい!ぶたれる!

とっさに目を瞑ってギュっと歯を食いしばった。


ー『パシッ!!』

麗「……………………ん、」

…………いくら待っても痛みは走らない。
へ?



ゆっくり目を開けて目の前の光景にあたしは目を見開いた。







「二宮……っ君…!」

麗「…………なんで?」

そこには、あたしをぶとうと振り上げられた腕を二宮がしっかり掴んで止めている。

麗「…………なに…、」

和「…………はぁ…。お前さ、やりすぎ」
二宮はそう言って女子の腕を離した。

「ちっちがっ!二宮君!これはね…!」

和「何が…………ちがうの?」

二宮はうっすらと微笑んで女子達を見た。

でも…、その目は笑ってなかった。


和「…………こいつも言いすぎたけどさ、……ぶつ?」

「…………っ!だっ…て…、あたしっ、辛くて…!」

うわ…、出たよ…。

女の卑怯な涙…。

見苦しー…、


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