黄色い恋 ~kazunari ninomiya~
第8章 ケンカ
「ごめ…、なさ……!っく…、」
……~もうー、見てらんない!
麗「……あんた、和「悲しくなんてないだろ?」
あたしが口を開いたとほぼ同時に二宮が泣いてる女子に向かって言った。
麗「…?」
「……っえ?」
和「……どうすれば俺に嫌われずに済むか、とか考えてんだろ?どーせ」
…………こいつよく分かってんじゃない。
「ちっ違う!あたしは…!」
それでもまだ『違う』と反論する女子に対して、二宮は大きな溜め息をついた。
和「もういいだろ。俺はお前らと話すことなんてねぇよ」
二宮は女子達を睨むとあたしを見た。
麗「……ぅっ!な、なによ…、」
さっきあんだけ言っちゃったから、気まずくて仕方ない。
でも、助けられた手前、きついことは言えない。
和「来い」
それだけ言うと女子達を置いて二宮はどこかへ向かう。
なに?
もしかして、怒られる?
「…、待って!二宮君!」
和「……」
二宮は呼び止める女子を無視し、歩みを止めない。
麗「……、」
あたしもいつまでもここにいても仕方ないから、二宮に付いていくことにした。
麗「……ちょっと、どこまで行くのよ」
あれから学校を出てしばらく歩くけど、二宮が止まる気配はない。
和「…………」
麗「~!」
もう!無視ですか、
はぁ~あぁ、
どこに行くのか、何言われるのか、知らないけど、憂鬱なのは変わらない。
思えば、あんなちっちゃいことでケンカするのは馬鹿だったなぁ…。
もう…、いっか。
麗「……ぁー…、その、さ。…………~!ごめん!!」
あたしが後ろから二宮に謝ると二宮はやっと止まってあたしを振り返った。
和「…………」
麗「……あ、だから、あの、あたし…、が、馬鹿だった!つまらないことで怒ってごめんなさい!」
これで…、どうよ!
ちらりと顔を上げると、二宮と目が合う。
麗「あ…、あの…、にのみ…、えと、かず?」
まだ呼び慣れない『かず』呼びにちょっと緊張しながらもあたしは首を傾げて名前を呼んだ。
と、
和「フッ(笑)」
…………え、
笑った?
和「…………お前、ほんと馬鹿だな」
…………はい、この状況はいったい。
かずは『馬鹿』を強調して鼻で笑った。
麗「え、何?」
和「あんだけ(笑)俺にキレたくせに(笑)」