黄色い恋 ~kazunari ninomiya~
第3章 ファン
桜「いいじゃ~ん♪そのあと一緒に帰ったんでしょ~?」
後日、あたしは桜に捕まり、昨日あったことを全て話した。
麗「よくあるか!ほんと迷惑!だいたいよく考えれば突然出てきたあいつも悪い!」
そうよ!
あたしばっかり悪いんじゃない。
確かにさ?少し、浮かれてたところはあるかもだけどさ?
恋する乙女。
好きな人と同じクラスなんて浮かれるに決まってる。
桜「麗菜ぁ…、あんまりおっきい声で二宮くんのこと、悪く言わない方がいいよ…」
桜は声を潜めてあたしに言った。
麗「桜…っ!あんたまで…っ!」
桜「違う!まぁ…確かに二宮君かっこいいけどさ…、あたしはそういうファンとかそんなんじゃなくて。二宮君、人気でしょ?昨日の『あれ』もよく思わない子がいたみたいよ?」
『あれ』って、つまり『あれ』ですか?
麗「何よ!それ!『あれ』はあいつが勝手にやったことでしょ?あたしはむしろ被害者なんだから!」
たまったもんじゃないわよ!
あたしが一番うんざりしてるってのに、
女子のそういうのにまで耐えなきゃいけないわけ?!
桜「分かってるよ…。だけど、二宮君ってアイドルみたいなものだもん…。ファンの間では暗黙の了解みたいなものがあるんだよ…。抜け駆けは禁止、とか必要以上に二宮君に目立たないとか…」
……意味分かんない。
何よそれ、
麗「それ、好きになって意味あるの?」
桜「……さぁ?それでもいいからってことじゃないの?言っとくけど、櫻井君も同じようなものだからね?」
……………………え、
麗「うっうそ!!」
桜「言ったじゃない!2大モテ男って!」
じゃ、じゃあ何?
あたしもそこら辺できゃあきゃあ言ってる女子と同類ってこと?!
麗「あ、ありえない……」
最悪…。
桜「麗菜はかわいいし、気を付けた方がいいよ…、そういうの、美人の子が一番僻まれるんだから…、」
あたしが?
桜「櫻井くんまで好きってバレたら多分、麗菜やばいよ」
ありえなーーーーい!!
あたしの勘はとことん優れません…。