テキストサイズ

飴と鞭の使い方

第2章 提案

「それって人身売買じゃねぇか!」
「つまりはそういうことだな。俺の奴隷になれ」
「冗談じゃねぇ!俺は帰る!金ぐらい自力でなんとかする!」
ただ一応、手当はありがとう。と礼儀は尽くし逃げるようにベッドから降り、出口へ向かう。

が、それは男の手によって簡単に阻止される。
挙げ句の果てには両手を頭の上で一纏めに拘束されベッドに押し倒される始末。

そうだ忘れていた。コイツ結構強いんだった。

「くそっ離せ!」
無駄だと分かっていても抵抗せずにはいられない。そもそも大人しく捕まってやる義理はない。
「寝る間も惜しんで働いてか?それでいくら稼げる?」
なかなか痛いところを突かれた。
「…やってみなけりゃ分からない」


現実は厳しいことを自分が一番よく分かっていた。
だがここで屈する訳にはいかなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ