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忘れ得ぬ出来事

第1章 中学生最後のクリスマス

順子の家に着くと自然に背筋が伸びる、住職のお父さんはお説教好きで、捕まると軽く1時間はお説教を聞かされる。

自分は苦手だ、

お母さんは凄く美人で、物腰が柔らかく、自分が家にお邪魔すると、喜んで迎えてくれる。
順子もそうだが、お母さんもきっちりとした、所作を習得していて、礼儀作法、お茶や生け花等を檀家さん達にも教えているそうだ、

その振る舞い一つ一つが綺麗で美しかった。

寺に入ると早速住職のお父さんが出てきて、笑いながら。

「Take君久しぶりだな、今日は時間有るの?」

と聞いてきた。

また、お説教をしたいらしい・・・・・・この人自分を坊主にしたいのか・・・
(−_−;)

「お父さん今日は私がTake君に話しがあるから、ダメ。」
と順子が鬱陶しそうに言うと、

「そうか、つまらん、じゃ、また今度な、ゆっくりしてお行き、」

と本堂の方に歩いて行った。

順子はお父さん似なので、お父さんの顔をみると、余計に心苦しくなって来て、苦手だ。

順子は苦笑いしながら、「いつも、ごめんね。」と言いながら奥へ入っていく

愛想笑いをしながら、自分も後に続く、


お寺の奥の住居スペースに入るとお母さんと弟のテル君が居間に居た。

「こんにちは、」と挨拶すると、

「あら、いらっしゃい、Take君、久しぶりね、今日はどうしたの?」と綺麗な微笑みを浮かべて、迎えてくれる。

嗚呼っ順子と同じ微笑みと仕草だ、やっぱ、親子だ良いなぁ~っ
思わず見惚れてしまいますハイ、

小学校6年のテル君も「Takeさんいらっしゃい」と笑顔で迎えてくれる。

お母さんの教育が徹底しているのか、物凄く礼儀正しい、彼が此処の跡取りとしてお坊さんになるはず・・・・

大変そうだが、頑張れよ!

「よっ、元気かっ!」

と笑いかけると、コックリと笑顔で頷く、テル君はお母さん似だから、今風に言うとイケメン、多分あの笑顔で、クラスの女の子独り占めに出来ると思う・・・・末恐ろしい・・・・(⌒-⌒; )

お母さんに順子が訳を話して、納得したらしく、微笑みながら

「ゆっくりして行ってね。」と言いながら自分の顔をみる、その顔にまた見惚れてしまう。

凛とした微笑みの中で、目は2人の事を全て知ってて、見守ってくれて要る様な優しさがあった。

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