ホストに恋
第32章 32
「クソッ…」
瀬戸わ、実家に来て酒を浴びるように呑んだ
「勇作…随分荒れてるな…」
「飲みたいんだよ」
「太一くんとわ、会えたのか?」
「今、あいつの名前出すな、酒がまずくなる」
「勇作…」
「クソッ…」
「お前、忘れたのか? 太一くんが監禁されて暴行された時のこと…お前あの時、どんな思いだった?悔しくて悔しくてたまらなかったろ?太一くんわ?どんな気持ちだったと思う?お前の何倍何百倍も悔しかったはずだ…でも耐えた…太一くんわ、勇作が好きだから耐えられたんだ…よく考えてみろよ…お前が太一くんに刺された時のこと、太一くんにわお前しか見えてないんだよ、お前わ、私の息子だから、少々遊び心があるのが…な…もう少し、太一くんの身になってみなさい。お前が太一くんならどうだ!!太一くんが、他の奴と遊びまわってたら…お前どう思う?」
「オヤジ…」
勇作の頭をくしゃくしゃに撫でる
「友達みんなで、うちの別荘にでも行って楽しんで来たらどうだ?そういう時間も大切だ。手配しておくから」
「オヤジ、ありがと」
瀬戸わ、思い出していた
太一わ、いつもどんな時も俺だったな…
俺…太一に何もしてやれてねぇな。
情けね。
瀬戸わ、次の日散髪屋に行き坊主にしたのだ!!
翔太がいつかしたように!!
野球帽をかぶり翔太の店に入る
「いらっしゃい!!」
カウンター席に座り
「ビール、」
「はい。」
太一がビールを運んできた。
「どうぞ。」
太一の腕を掴み引き寄せる瀬戸
「やめて!!」
帽子を取る瀬戸
「太一!!俺だよ」
「勇作!?!どうしたの!?」
「気持ちの入れ替え」
「どうしたの!?」
「太一!!俺にもう一度チャンスくれ!!俺忘れてたよ、お前がいつもいつも俺だけを見ててくれたこと、これからわ俺がお前を見ててやる。お前だけを!!」
「勇作…………ほんと?」
「あぁ!! 」
「勇作ぅぅぅ!!」
抱きつく太一
「ユウサク…」サムが今にも泣きそうな顔をしていた
「サム、悪かったな…やぱ俺、太一だけだ。」
翔太と拓哉が微笑んでいた