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エンドレス

第2章 再会

見間違えるなんて事はあり得なかった。
あんなに愛した人ですもの。

長い黒髪は、茶髪のショートカットに変わっているが、ほんの数メートル先に立っているのは、薫だった。

向こうも久美の顔を見て、立ち止まった。
やはり、かなり驚いているのが見てとれた。

8年ぶりの再会。
それも、周りに知り合いもいない、たまたま夫の転勤で来た見知らぬ土地で。

久美には、運命としか思えなかった。

笑顔より先に、涙が溢れてきた。

涙が頬からこぼれるより先に、久美の足は薫に向かって走り出していた。



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