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エンドレス

第3章 運命の前日

昔と変わらない薫の笑顔に、久美は言葉を飲み込んだ。

「ごめんなさい。」

ぺこりと薫が頭を下げて、頭を上げるとまた笑顔に戻った。

久美は、どうでも良くなった。
目の前に以前と変わらない薫がいる。やっと会えた。それで充分だった。

結婚した事、夫の転勤でここに居ること・・・
たわいもない近況報告。

「くみネェ、また明日ゆっくり会えるかなぁ?」

「夫も出張でしばらく居ないし、専業主婦は暇だから、いつでも会えるわ」

「良かった。じゃあ明日お昼頃にくみネェのお家に行きたいな。」

「わかった。待ってる。」

住所とLineIDをメモに書いて薫に渡した。

「これ私の。」

薫も同じようにメモをくれた。
どうしても用事があるらしく、じゃあ明日ねっ、と薫は店を出て行った。

店を出たところで、一度だけ振り返って、また笑顔を見せて早足で去って行った。

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