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愛の嵐

第42章 偶因×晴陰=衷懐

和「はぁ、はぁ・・疲れたぁ」

乱れた服を直し眼鏡を・・・眼鏡

和「うっそぉ!眼鏡どこ行ったぁ?!」

動転してて気付かなかった!
しっかり腕に抱いた荷物を持ち上げたり
中を覗いてはみたものの

和「ないよ~。はぁ、スペア使うしかないかぁ」

鞄を漁り眼鏡ケースを取り出した
落とした眼鏡と全く同じ物を取り出した

和「急いで帰らないと、五月蝿いのが吠えるな」

眼鏡を掛けて家に向かって歩き出した
伊達眼鏡を掛けてないと怒られる
今の格好だって好きでしてる訳じゃない
こんなカツラだって頭が蒸れるから被りたくない!
でも、そうしないと益々虐めを受けてしまう

和「精神的ダメージは堪えるっつ~の!」

二人の兄・・・片方はオネエか
親の再婚で出来た兄達に地味な虐めを受け続けていた

和「ただいま、遅くなりました」
翔「遅かったな」
潤「ほんとよ!何してたの!早くこっちに渡しなさいよ」

細身でイケメンのオネエが潤
なかなかの体格で頭のキレる翔
二卵生の双子で俺の義兄

和「すいませんでした」
翔「もう夕飯の時間だ」
潤「早く作りなさいよ!マズかったら許さないわよ!」

初めは気色悪いと思って聞いていた言葉使いも聞き慣れた二年目
同じ高校に入れられて逃げ場が無くなった今年の春

和「はぁ、早く帰ってこいよ!オヤジっ!」

転勤で夫婦で遠くに行った父親に文句を垂れる
誰にも聞こえない呟きは兄達の賑やかな声に掻き消された

和「はぁ、畜生っ!!」

兄達が怒り出す前に晩御飯の準備に取りかかった

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