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愛の嵐

第7章 遠方の嵐

そう思って帰れる訳がない
俺の中はぐちゃぐちゃだ
壊れたように2日間の日程をこなした
雅紀とは連絡がとれないままだし
明日には日本に帰れるのに嬉しくない
帰っても会えない

スペインは辛い思い出しか残らない

ニ「ごめんなさい」
櫻「謝るなら雅紀にして」
大「連絡取れないなら俺がしてみるよ?」
櫻「うん。心配だから元気か確認してもらっていい?」
大「わかった・・・・」

相『もしもし、どうしたの?』
大『ん、皆連絡取れないって心配してるよ?』
相『ああ、そうなんだ。別に元気だし普通だよ。心配してくれてありがとうね、リーダー』
大『いいの?』
相『ん?あ、あぁ。もういいよ。辛い事から逃げる事にしたから』

スピーカーにされた声は届いていた

櫻『逃げんなよ!勝手に終わらせてんじゃねーよ!』
相『えっ、翔ちゃ・・・』
ニ『ごめん、俺が翔さんの事・・・』
相『ニノ・・知ってたよ。ニノがしょ・翔くんを好きな事くらい。何年の付き合いだと思ってんの』
ニ『本当に何もなかったんだ!だから翔さんと別れるみたいな言い方やめろよ』
相『あはは、考えてみれたらね』
櫻『なんだよ、それ』
相『たったこれだけの事なのに、何か色々限界なんだよ。助けて欲しいのに、今は怖くて全部無理』

プッと切れた
ニノは頭を抱えて自分のした事を重く受け止めていた
リーダーはどうしていいのか、取りあえずニノの背中を撫でている
俺は泣いてしまった
怖くて怖くて嗚咽を抑えられない
最後の夜は重苦しい空気になった

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