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愛の嵐

第13章 秋宵の嵐

《櫻井side》
ニノに頼まれたように洗い物をする
隣で拭き上げていくニノ
どうして雅紀と離されたのか
これで分かるのかもしれない

ニ「翔さん、ありがとう」
櫻「いえいえ!早く片付いたね」

ニッコリと笑ってニノを見た
顔を赤く染め潤んだ瞳で見つめられる

ニ「し、翔さん!」
櫻「はい?どうしたの?」

ドンっと体に衝撃が走る
それによろけて後ろに尻餅を付いてしまった

櫻「いったぁ・・に、ニノ?」

俺の腰にしがみついたニノ
痛みで抗議しようと睨みつけると

ニ「好きなんです」
櫻「はぁ?」

一瞬驚きで呆けてしまう

櫻「好きって・・俺の事を?」
ニ「はい・・翔さんが大好きなんです!」

そう言われて返事が出来ない
雅紀との事をバラす訳にはいかないから

ニ「翔さんに抱いて欲しいんです」
櫻「俺が・・抱く・・」
ニ「はい・・お願い・・抱いて?」
櫻「それは・・出来ないよ」
ニ「な、なんで?」

泣きそうな顔で見上げてくる
正確には抱けない訳じゃない
俺も男だから!
でもそれだけじゃもう満足出来ないんだ

櫻「ニノと同じで、俺は受け身なんだよ」
ニ「は?嘘でしょ?」
櫻「嘘じゃないよ。だから抱けない!」
ニ「そんなナリして受け身って・・マジ?」

ナリってどういう意味だよ!
ちょっと失礼じゃないか
雅紀は愛してくれるよ?

ニ「俺の覚悟返してよ~!」
櫻「はぁ?返してって言われても、勝手に勘違いしたのニノじゃないかよ~」

ジッと睨み合いをすると
俺達はブッと吹き出して笑い出してしまった

ニ「ははっなんだよ~!気が抜けたよ」
櫻「そうだね。はぁ~、ビックリしたぁ」

グッタリと体を横たえるとニノは覆い被さって
チュッとキスを降らせた

櫻「なっ!」
ニ「これでチャラ!」

口を押さえながらニノを見ると
泣き笑いしていた

ニ「本当に好きなんだからね!」
櫻「うん、ありがとう。ごめんね」

ニノはしばらく俺の胸で泣いていた
もしかして・・・雅紀は松潤に?
そ~いう事かぁ
雅紀に限って浮気はないだろうけど

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