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愛の嵐

第13章 秋宵の嵐

《櫻井side》
目が覚めると静かなベッドの上だった

櫻「雅紀?ま~さ~き~!」

少し掠れた声しか出せない
あれ?いないの?
いつもは起きたら必ず隣にいてくれるのに

櫻「リビングで寝ちゃったのかな?」

側に置いていたガウンを纏いリビングへ向かう

櫻「雅紀?いる?」

返事はなかった
起きていないのは淋しいよ
雅紀の荷物を確認する

櫻「服とバッグが無い・・どこ行ったの?」

ソファーで膝を抱えて座り込んでしまう
未だに余韻の残る体が憎らしい

もう夕方になる
どれくらいそうしていたのだろう
俺だけモノクロの世界にいるみたい

櫻「喉渇いたな。お腹も減ってきたし」

雅紀がいないと何もする気にならないよ

カチャン

玄関が開く音がして顔を上げる

櫻「雅紀?・・雅紀!」

重い体に鞭を打ち玄関へ急ぐ

相「翔ちゃん!ただい・・わぁ!」

周りも見えず雅紀に飛びついていた

櫻「雅紀!雅紀!」
相「し、翔ちゃん?!どうしたの?」

帰って来た事にホッとして涙が出る

櫻「起きたら、雅紀、いなくて」
相「そっか、ごめんね。淋しかったんだね」

声も出せずに頷く事しか出来ない
良かった!雅紀が帰ってきた!
雅紀がいるだけで俺の全てに色が差す

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