テキストサイズ

愛の嵐

第26章 思惑×明察=婉然

カランッとコーヒーの氷が溶ける音がした

ニ「ねぇ」
櫻「はいっ!な、なに?」

ビックリして声が裏返ってしまう

ニ「ぷっくく・・なんて声出してんの」
櫻「あっ、いやぁ、ビックリしちゃって」

笑われてしまい恥ずかしくなってしまう

櫻「そんなに笑うなよ!」
ニ「うん、ごめんね~」

謝ってないよ、その謝り方

ニ「ごめんってばぁ」
櫻「分かったよ。で?」
ニ「う、うん」

また沈黙が始まってしまうのか
頭を稼働させようとしていたら

ニ「俺ね、こうしたかったんだ」

俺の隣に座り直して右手を繋がれる

櫻「えっ?ちょっ・・」
ニ「翔ちゃんと手が繋ぎたかったんだ」

真剣な顔つきにドキッとした
無音の部屋に俺の心臓の音が響いて聞こえてしまう
有り得ない心配をしてしていた

ニ「好きです」

少し震えた声で伝えられた
ニノが俺を好き
嬉しい!死ぬ程嬉しい・・・のに

櫻「あ、ありがとう。でもきっと釣り合わないと思うよ」

俺だって好きなんだ
でもダメなんだ
ニノとは合わないの分かってる
繋いだ手を離そうと引いた

ニ「ダメじゃないよ?」

手を離す事は出来なかった
更に強く握られてしまっている
掌がジンワリ汗ばんでいく

ストーリーメニュー

TOPTOPへ