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愛の嵐

第29章 曇天×降雨=星空

あ・・優しい

ニ「気付いてたんだ」
松「そりゃそうだよ。歩きにくそうだったからね」

正直痛かった
服に合わせて可愛い靴なんだけど

ニ「普段履かない物だからね」
松「我慢させてごめんね。これだったら痛くないかなって」

席に座って袋から靴を出す
暖かそうなムートンブーツ

ニ「これ買いに行ってたの?」
松「ん?あぁ、店が閉まったら困るからね」

何でもないようにサラッと言ってのける
こんな風だから女が放っておかないんだろう
ちょっと分かっちゃう辺り俺は女子に近いのか?

松「ほら、早く履き替えなよ」

俺の足元に跪いて靴を脱がしてくれる
松潤の上目遣いにキュンとしてしまう

ニ「い、いいよ。自分で出来るってば!」
松「いいから!大人しくされてなって」

いちいち格好いいんだけど!
なんだよ
表情や仕草、やることなすこと全てに俺の心は翻弄される

松「きつくない?」
ニ「ん、平気。どっちかと言えばピッタリ♪よくサイズ分かったね」
松「ニノの事なら大体何でも知ってるよ」

俺の事ならって
それは口説き文句でしかないんだけど
気恥ずかしくて俯いてしまう

松「始まるみたいだな」

館内放送で上映開始を知らせるアナウンスが流れる
ポンポンと頭を撫でて隣に腰を下ろす松潤
悔しいくらいに男前な振る舞いに俺の心臓は高鳴っていた

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