テキストサイズ

愛の嵐

第29章 曇天×降雨=星空

こんなに勇気がいるもんだったかな
ただ手を繋ぐだけなのに

俺・・震えてる

松「このままでいさせて」

返事は無い
だけど徐々に温もりが広がっていく
俺より少し小さい掌がキュッと握り返してくれた

松「ありがとう」

隣に並んで星空を眺める
ずっとニノと見たかった
本当は生の空が良かったんだけど
一緒ならそれでいいなんて

松「俺って単純だな」
ニ「いきなりどうした?」
松「あ~、いや。こうやって星をみてたら俺って小せぇなって」
ニ「今更じゃね?星に比べたら俺らなんてみ~んな小さいよ」
松「あぁ、そうだな」

見上げたままの他愛ない会話
それすら心地良く感じる
移り変わる星々と共に説明の音声も続く
ニノの温もりを感じながら見る星はいつもより輝いて見えた

ニ「す~、す~」
松「ん?・・・寝た?」

肩に掛かる重みを感じて気付いた
長い髪が顔を隠している
そっと髪をかき上げ寝顔を覗き込む

松「ふっ、可愛いな」

一つ増えた温もりを感じながら流れる星空を眺めた
心に燃え上がった火の鎮め所を探しながら

ストーリーメニュー

TOPTOPへ