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愛の嵐

第31章 過去×未来=今

結局タクシーに乗った
住所を言って歩く距離じゃないのを知って諦めたみたい
普通は電車使うからね
でも『一緒に』か
やっぱり嬉しいもんだな

相「一人暮らし?」
大「そうだよ」
相「俺も一人暮らししてんだ」
大「そうなんだ」

他愛のない会話
いや、当たり障りのない会話が正しいのか
同じ返事を繰り返す間にマンションに着く

大「どうぞ」
相「お邪魔します」

他人行儀な挨拶
なんだか淋しいな

相「あのさ・・話があるんだ」
大「う、うん」

低い声に喉が震える
良くない事を言われると雰囲気が伝えて来た

相「腕時計とネックレス付けてる?」
大「も、もちろん!」
相「それ・・・外して。俺も外すから」
大「え?な、なんで?」
相「いいから!外せっ」

厳しい顔つきと更に低くなる声にビクッと身体が強張る
雅紀はそんな俺を気に留める事なくネックレスを外してしまう
そんなアッサリ出来てしまうんだ
目頭が熱くなるのを我慢して腕時計を外した

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