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愛の嵐

第37章 旗幟×自誓=帰趨

松岡「うぉっ、今日も大漁だなぁ」

紫煙をくゆらせながらクーラーボックスを覗く
その背中に甘えたいなぁって思うんだけど
海臭い俺は松兄に触れられない

松岡「んん?どうした?」
大「な、なにが?」
松岡「いつもベッタリ引っ付くのに、今日は微妙な距離を感じるが?」
大「いや、俺、今、臭いから、松兄に悪いなって」

ポカンと口を開けて俺を見たかと思ったら

松岡「ぶっははは!お前今更過ぎんだろ~!」

そう言ってガバッと抱き付かれた
抱え上げられて俺が焦っていると

松岡「バカだな。どんなお前にだって触って欲しいもんだよ。変な気ぃ遣ってんじゃね~よ」
大「ごめん、だって・・」
松岡「だってじゃね~よ!ほら、顔上げろって」

申し訳なさからおずおずと顔を上げると
チュッと唇が重なって音を立てた
ペロッと舐められると真っ赤になってしまう

松岡「塩味だな♪焼いたら旨そうだなぁ」
大「俺は煮ても焼いても旨くない!」
松岡「そうかぁ?俺にとっちゃ、お前は最高のご馳走だけどなぁ」

ニヤリと笑う顔にゾクッとしてしまう
猛獣を前にした草食動物の気分だ

松岡「このまま食っていい?それとも、綺麗になりながら食われる?」
大「く、食うって・・・・・後者で」
松岡「っし、んじゃ行くか」

抱えられたまま風呂場へ向かった
途中足でクーラーボックスを閉めたのを見逃さなかった
相変わらず足癖悪いんだなっと
心の中で悪態をついたのは胸にしまっておこう

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