
売られ少女
第2章 異常なお坊っちゃまと、その家族
おいしそうな食事を口にする3人の親子。
そして、その横で黙って立ちすくんでいる私。
…私はどうすればいいんだろう。
そのとき、私のお腹がぐぅぅと鳴った。
一気に顔が熱くなる。
ケントは私にちらりと目をやり、にやりと笑った。
恥ずかしい…!
ショウもこちらに目をやり、先ほどの純粋な表情とはうってかわって、いじわるく顔をしかめた。
「おいうるさいぞ! いやらしい家畜め! お前のエサは後だ!」
年下の少年にこれほど罵声を浴びせられたのは始めてだ。
私は恥ずかしさと悔しさで下を向いた。
すると、ケントが、
「ショウ」
弟をいさめるような口調で言った。
ショウはハッとした様子で、ごめんなさい…と、しおらしく謝る。
そして、ケントは食事を続けながら、私のほうを見ずに言った。
「俺が食い終わるまで待ってろ」
