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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第13章 大切な物

トボトボ‥トボトボ‥

先輩と別れてからふらふらとどこ行く訳でもなく歩いていると商店街に入っていた

電気屋さんからラジオが流れてくる。

そのまま通り過ぎようとした時

『‥の時間になりました。リスナーの‥』


「へー。今時こんなラジオ番組あるんだな‥」

そう思いながらアパートに着くと夕方になっていた

ガチャ
先輩のいない静まり返ったアパート

部屋に入り普段通りに部屋着に着替えると、ふと蘇る

先輩の首筋のキスマーク
ダンッ!!

「くそっ!!」

壁をおもいっきり叩いてしまった

「はぁ‥今日もヤケ酒か‥」

トボトボ‥キッチンまで行き冷蔵庫を開けると 和牛ステーキが2枚置いてあった

「そういや橘さんが買ってくれたんだっけ‥先輩はもう来る事ないしな‥」

和牛ステーキを持って玄関を出て鍵を閉め

ピンポーン♪ピンポーン♪
ピンポーン♪

「はい?」

ガチャ

「こんばんは。日高です‥」

「あー日高君どうぞ」

橘さんは部屋に俺を上がらせてくれた

「橘さん‥せっかく買っていただいたのにすみません。これ‥」

彼が手にしていたのは俺が買ってあげた和牛ステーキだった

「あの人と食べなよ」

優しくそう言うと

「もう来ないから。橘さんには失礼だけど一緒に食べませんか?」

何かあったのか?

「冷凍しとけばいいでしょ?」

「だから‥もう来ないんだって!!」

声を張り上げた日高君

俺は和牛ステーキを受け取り晩ご飯まだ?って聞くと頷いたから焼く事にした

ジュー♪

お肉の焼けるいい匂いが部屋中に漂う


し~と静まり返る部屋

お肉の焼ける音だけがする

「日高君?お皿取ってくれるかな?」

「‥‥‥‥‥」

一点を見つめ動かない日高君

これは、相当の何かあったに違いない俺は思った

俺がお皿を取ろうとしたらハッ!と我に返りお皿を取ろうとするから

「いいから座ってて」

優しく部屋で座ってるように言うと彼はトボトボ‥歩いて座ってくれた

「できたよ~♪」

「‥‥‥‥」

いただきます♪をしたの俺だけで日高君はフォークとナイフで切っていく

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