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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第13章 大切な物

パクッ

「‥‥‥‥‥‥うまい」

少し笑顔になったみたいで良かったかと思えば、また寂しそうな顔をする

「‥‥先輩にも食べさせてあげたかったな‥」

ボソッと言うとまたゆっくり食べ出した
俺はそんな日高君をずっと見ながら食べていた

「何があったのかな?良かったら聞かせて?」

また優しく言うと

「俺が余計な事言って怒らせて‥先輩には別の人がいたみたいで‥今日泊めてもらえますか?」

俺は別に構わないけど‥

言ってる意味はなんとなくわかった気がする

「お風呂湯入れてくるから待っててね」

日高君の肩を叩くと無反応だった



俺はどうするべきか考えたけど‥

思い浮かばなかった。

お湯をはり終え部屋に戻ると

小さくなって泣いていた

俺は横に座り肩を組んであげると
しがみついて声を張り上げ泣き叫ぶばかりだった


かなりの時間が経って少し落ち着いたみたいだったので

「お風呂‥入っておいでバスタオルとかは用意してるからね ゆっくり浸かっておいで」

また無反応でトボトボ‥風呂場に向かう

大丈夫かよ?



ザブーン‥

そういえば先輩
ここの風呂入ったんだよな‥

そう思うと浴槽にあるはずもない先輩の温もりを感じずにはおれなかった

また涙がこみ上げてくる

あの時どうして俺はあんな事を言ってしまったんだろう‥

死にたい‥

湯船から出て頭を洗い身体を洗おうてした時

剃刀が見えた

剃刀を手に取り手首に当てた


























できなかった。

死にたいのに死ぬ勇気すらない

俺って‥‥

身体を洗い終え部屋に戻ると橘さんが笑顔で迎えてくれた

「お先にいただきました。橘さんもどうぞ」

橘さんは立ち上がり風呂場に行くのかと思えば冷蔵庫から冷えたビールをそっと俺に渡し風呂場に消えた
そんなに優しくされたら俺‥

溢れ出てくる涙でプルタブが二重にも三重にも見えてなかなか開けれなかった

手の甲で涙を拭いプルタブを開けグビっと飲むビールはとても苦がくマズかった

失礼だとは頭ではわかっていても先にベッドに入らせてもらっている自分がいる

「日高君ただいま~♪」

橘さんの声がする

返事しなくちゃっとは思うものの、それすら出来ない俺‥

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