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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第13章 大切な物

ん~‥

「おはよう」

ニコっと笑うと少し目をこすった彼が普通におはようって言ってきた

吹っ切れた?みたいな顔をしていた

「朝ご飯何?」

「あ?何食べたい?」

「玉子サンド」

キッチンに向かい玉子サンドを作る俺

じーっと嬉しそうに見つめてくる彼

「何かな?」

「う~ん~‥懐かしいなぁと思って」

何の事だろう‥

しばらくして玉子サンドができました

すごくすごく嬉しそうな顔をした彼が一口食べた時悲しい顔をしたのを俺は見逃さなかった

「どうしたの?」

「ううん。何でもない。今日も泊まっていいかな?」

構わないけど‥家隣だし‥

玉子サンド食べるスピードがやけに遅い上の空の彼がいた


「口に合わなかった?残してもいいよ?」

ハッ!とした顔をして急いで食べる彼だけど気持ちとは裏腹にやっぱり食べるスピードが遅かった


「もしかして‥彼も作ってくれたりしたのかな?」

一瞬固まって

笑顔で涙浮かべながらうん!って笑うから俺まで涙が出てきて
とっさに横向いてタバコに火をつけた

「タバコちょうだい‥」

またタバコほしいって言ってきたから吸いかけのタバコあげたら嬉しそうだった

《俺は橘さんが玉子サンド作ってくれているのはわかっていたけど‥先輩が帰ってきて玉子サンド作ってくれてるみたいに見えたから‥すごく嬉しかった‥食べたら違ったから悲しかった》


俺がお皿片付けキッチンに持って行こうとすると

「行かないで!そばにいて‥」

俺は優しく優しく抱きしめてあげた

抱きしめた手に温かい涙が落ちたかと思えば冷たくなった涙

ぎゅっと抱きしめてあげたら

「くっ‥う‥っ‥」

声を殺して泣く彼にまた俺まで悲しい気持ちになってしまう

「大丈夫だからなっ?」

何が大丈夫なのか俺自身わからなかったけど

大丈夫って言ってあげないと今にもどこかに消えてしまいそうで

「俺大丈夫だから」

涙貯めながら言われても
困るのはお前だろ?
無理するな‥


またぎゅっと抱きしめてあげると

抱きしめた腕を放とうとする

彼に放すか離さないか任せてみたら中途半端のところのまま放置されたから抱きしめてあげたら反応はなかった

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