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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第13章 大切な物

「橘さん?帰ろ?」

「来たばっかりだぞ?満足したのか?」

そんなに優しくしないでくれっ‥

「うん♪大丈夫ありがとう‥‥」

少し寂しげな顔に見えたのは気のせいだろうか?

家に向かって走っていると

「帰りたくない」

と言い出した

「俺の家だぞ?」

「‥‥‥‥あっそっか‥‥‥」

アパートにつき俺が玄関開けるのを待つ彼

「開いたぞ」

彼を呼ぶとずっと彼は自分家の玄関を何も映らない目で見つめていた










部屋に入り一服しようとするとタバコちょうだい‥

「自分のはないのか?合わないとかないのか?」

「持ってくるの忘れた早く出たかったから。取りに行きたくない」

困ったな‥

とりあえず俺のタバコを全部渡しておいた

「ありがとう♪」

タバコに火をつけふーっと吐き出してはまた止ってずーっと外をただぼーっと眺めるだけ


彼の胸の痛みが伝わって苦しくなった


「橘さん?」

「何かな?」

「離れないでね」

「側にいるよ」

「うん¨」

俺は誰でも良かった。
先輩の代わりが欲しかったのかも知れない

たぶんそうなんだと思う

誰かがそばにいないと死にそうになる


「橘さん?」

さっきから必要以上に俺の名前だけを呼べば存在感を確かめるような彼

それでも優しく聞き返してしまう俺

「何かな?」

「甘い物食べたい」

俺の家にはゆずシャーベットしか入っていなかった


出したら号泣するに違いない

「甘い物?何がいいのかな?」

「‥‥‥‥‥」

「一緒に買いに行こうか?」

「うん♪」

俺と日高君は一緒にコンビニに向かった


車でかなり遠いコンビニへ

けど‥この事については彼は何も言わなかった


橘さんが俺の為にわざと知らない遠いコンビニに連れて行ってくれた

何だか安心する気持ち

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