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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第4章 相川なつめ先輩の素顔

「先輩‥‥?」

生暖かい風に吹かれながら日高が口を開いた

「何?日高‥‥」

俺は日高の温もりを感じながら日高の香水の匂いに癒やされながら答えた

すると日高が

「黒川教授と何があったんですか?」

俺の中だけまっ黒なブラックホールの蓋が開いた気がした

「なんもねーよ」


そう言うとさっきまで俺の肩に甘えてた先輩がいきなり立ち上がって冷たい視線を俺に投げつけ


「お前には関係ない」

って言った


俺は‥何も言えなくなった


先輩が俺から遠ざかってゆく


止めなきゃ


先輩の腕を掴まなきゃっ


って思ったけど‥‥


できなかった。




僕はとぼとぼどこ行く訳でもなくただ力なしに歩いていた

《一樹‥一樹‥一樹‥》

そんな事を考えてたら

ドンッ!

誰かにぶつかった

顔を上げてみると相川先輩だった


僕は‥



僕は‥


「お金‥払ったら一樹を返してくれますか?」

って言ってしまっていた





俺にぶつかってきたこの子は‥


日高と屋上でしてた時見たあの子




震えている


澄んだ汚れを知らない瞳


「勝手にしろ」


俺はその澄んだ汚れを知らない瞳に自分の汚い姿を映されるのに耐えられなくて


歩き出した



《お金‥払ったら一樹を返してくれますか?》


俺に付きまとうのは

あの根も葉もない噂

俺は立ち止まって壁に握りしめた拳をぶつけた

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