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相川先輩にぶつかった時

一樹の香水の匂いがした

僕の一樹の懐かしい匂い

一樹会いたい


僕は一樹が降りてくるのを玄関ﾎｰﾙの一樹の靴箱の前で待つ事にした





先輩が俺の前から


消えた‥‥‥？


悲愴感に苛まれながら

俺は屋上を後にした
先輩を追いかける訳でもなく

図書室に行く勇気もなく


俺は玄関ﾎｰﾙに向かって歩いていた


玄関ﾎｰﾙの靴箱が見えた時亮太が俺の靴箱の前に立っていた

｢亮太？｣

俺が靴箱に歩み寄った時
俺を見て少しはにかんだ亮太が俺の胸に飛び込んできた

泣いてる？


僕は一樹の姿を見たら、堪らなくなって一樹の胸に飛び込んで泣いてしまった

｢亮太？どうした？｣

俺の胸にしがみついて離さない亮太の頭をいつもみたいに くしゃっと撫でてやった

顔を上げた亮太の目からは大粒の涙が流れていた

｢い‥つ‥樹ﾁｬっ｣

震えた声で俺に泣きつく亮太

もう一度頭をくしゃっとしようとした時門崎の姿が頭に浮かんだ

俺は亮太を身体から引き離し

｢お前が甘える腕はもう俺じゃない‥｣

きつく突き放してしまった

冷めたような口調で言う一樹の目には僕の姿は映っていなかった。


僕の身体から一樹が離れてゆく

《嫌だ！離れて‥いかないで‥置いていかないで》

亮太が泣きながら靴箱の前に崩れ落ちていく

けど‥

俺は亮太をもう抱きしめる事はできないんだ






俺はあの子と別れた後
一人図書室に来ていた

窓の外を見る訳でもなく

本を読む訳でもなく

ただ‥

ｱｲﾂがいつも座る席をずーっと見つめていた

俺は気持ちを振り切り玄関ﾎｰﾙへと向かった

玄関ﾎｰﾙにさしかかった時


日高の姿が見えた


日高‥‥



‥‥‥‥俺


日高に近寄った時


日高の腕の中で愛しむように頭を撫でられいるあの子の姿があった


俺の胸に毒刃が刺さった


汚れた俺なんかより 澄んだ汚れを知らないあの子の方がいいに決まっている



俺はそう思った