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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第33章 奇妙な生活が始まった

掻き回しても掻き回しても中からドロっとしたいつものヤツが出てこなかった

指を抜いて日高にもう一度確認した

「本当にやってないのか?」

だからしてねーつってんだろ!

「信用‥してくれよ」

「だってお前嫌だとか甘い声出してたじゃん!?」


「俺の事信用できないのかっ!?‥ならもういいから」

「もういいからって‥お前何してんだよ?」

日高がベッドから降りて鞄に何か詰め始めた


「お前‥やめろよ!どこ行く気なんだよ!」

日高が振り向いて俺を睨みつけた

「信用できないなら一緒にいても意味ないよな‥出て行くよ‥」

出て行くってどこに?

「日高待て!おい!?」


俺は部屋を出て行こうとする日高の腕を引っ張った


「離せよ!俺は信用されてないんだろ?少し距離を置こう‥」

距離って日高?

「待てって!!」

振り払われた俺の手



鮫島君とコーヒーを飲んでいると日高君が部屋から飛び出してきてそのまま真っ直ぐ玄関に向かって走っていく

「お前ら何くつろいでんだよ!?日高止めろよ!」


何だ?
慌てて靴を履いた

俺が家から出た時エレベーターに乗った日高が消えていくのが見え閉められたエレベーターの扉

くそっ!


日高待て!待ってくれ‥

非常階段を全力で駆け下りた

けど、最上階‥

どれだけ降りただろう
階段を降りる途中下を覗き込んだら日高がエントランスから出てきたところだった

「日高――!日高――!行くな!待て!!」



今先輩の声が聞こえたような‥
後ろを振り向いても先輩はいなかった


アイツバカか!?お前がエレベーター使ったら俺は階段だろ!上だよ!上!


信用されていないのに俺はどれだけ先輩の事を…

自分で笑ってしまう程に先輩が好きだった大好きだった

俺は鞄を持ってマンションを後にした


俺がエントランスについた頃には日高の姿はやっぱりなくて‥

携帯!?

ポケットに手を入れてもパジャマ姿携帯が入っているはずはなかった

急いで戻ろうとしたらナンパ野郎と鮫島がやってきた

「なっちゃん何があったんだ?ハァ‥ハァ‥」

「日高が出て行ったんだよ!」

出て行ったってどこに‥

「とりあえず部屋に戻ろう‥」

ナンパ野郎?何でそんなに余裕ぶっこいてんだよっ

日高君の事だ何か考えがあるのだろう‥

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