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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第34章 白先輩と俺と小野寺さんに鴨倉さん

「旨いもん食わせてやるからな♪」

白先輩はハッハッ♪言いながらしっぽをブンブン振り回している

「お前はしゃぎすぎだって(笑)」

バックミラー越しから見た一樹の笑顔

笑ったらこんな顔するんだな‥

いい顔してるぞ‥一樹

「あっ‥けど白先輩と一緒に入れるお店ってあるんですか?」


「大丈夫だ(笑)心配するな♪な?白先輩お前は本当にかわいいな♪ほら来い♪」

鴨倉さんが助手席と運転席の間から腕を出してきた

「白先輩行っておいで♪」

ワン!ワン!

吠えるだけで俺から離れない白先輩

「甚一お前嫌われてるな…白先輩に対する愛が足りないんじゃないのか?(笑)」

小野寺さんが初めて笑った

俺には坦々としか語らない小野寺さんが笑った

「秀一お前はどうなんだ?」

「俺か?俺は‥」

チラッとバックミラーを見たら一樹と目が合った俺

目をそらしてしまった

「俺はいいんだ」

「何だそれ‥まぁ今に始まった事じゃないけどなお前の」


「小野寺さんは今朝白先輩と遊んでくれてたんだよ♪ね?小野寺さん?♪」

一樹さんが身を乗り出して笑って秀一の顔を見た

小野寺さんの左頬には切られた傷跡があった

「これは‥」

「触るな‥ちゃんと座ってろ」

小野寺さんの左頬にある『ノ』と大きな切られた跡

知らなかった左頬の傷跡

「着いたぞ」

料亭?

白先輩を抱っこして車を降りたら鴨倉さんが俺の背中押して歩き出した

「ここは秀一とオジキ俺の隠れ家だ(笑)」

隠れ家?

鴨倉さんに背中押されながら入ったその部屋は尺八と琴の音色が聞こえてきそうな風情ある和室だった

こんなお店高いんだろな‥

「何突っ立ってる座れ」

小野寺さんがそう言うから前に座ろうとしたら鴨倉さんに隣だろ?と言われた

何で俺はいつも小野寺さんの隣に座らなきゃいけないんだ?
「一樹初めてか?」

「えっあっはい!」

一樹は見た目大人びてるが俺から言わしたら中身はまだまだ子供

色々連れ歩いて教えてやらないとな‥

その時襖の戸が開いた

着物を着た女性が三つ指立ててお辞儀してきた

「ようこそお越しやす。沢木の親分はんにはいつもお世話なっております。元気にされてはりますか?」

「オジキももうあの歳ですからなかなか足を運べなくてすみません」

謝った小野寺さん

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