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ｻﾞｯﾌﾞｰﾝ♪

一緒に入った檜風呂

ﾁｬプン‥ﾁｬプン‥

肩にお湯かけながら先輩が聞いてきた

｢そういえば日高♪宝くじ当たったのか？｣

えっ…

｢宝くじ当たったのかって？｣

｢あーったかっ宝くじねっｱﾊﾊﾊ｣

｢ｱﾊﾊってお前‥。まだ見てねーのかよ？｣

｢あーうん…｣

何だか変な日高がいた

大金を手にした本当の理由を知らない先輩

あの時俺の夢を壊さないように当たるといいなって言ってくれた先輩

その時痛みが走った俺の胸の奥

隠してあの土地買って家建てて先輩は喜ぶんだろうか?

隠して建てた家に住んで俺は平然といられるのだろうか‥


さっきからじーっと湯船の一点を見つめる日高

やっぱり変だ。

｢日高？どうした？｣

そんな事を考えていたら先輩が顔を覗き込んできた

｢いや…べっ別にっ｣

顔を逸らしてしまった俺

｢お前変だぞ？｣

｢そっそうかな？俺先に身体洗うねっ｣

湯船から出ようとしたら腕掴まれた

｢お前本当に変だぞ？｣

｢えっ!?｣

｢えってお前‥｣

｢あっそうだったね！先輩洗ってあげるよ｣
｢‥‥‥‥｣

掴かんだ腕を離した先輩

そのまま湯船から上がって一人で椅子に座ってﾀｵﾙに石鹸こすりつけ始めた

｢いいって！俺がするからっ｣

石鹸こすりつけたﾀｵﾙを先輩から取ろうとすると

｢する気もないのにしようとすんなっ｣

｢俺はそんなつもりじゃ‥｣

ゴシゴシﾀｵﾙで身体洗っていく先輩

俺は先輩の後ろで立っているしかなかった。

ずっと何も言わず後ろで突っ立ったまんまの日高にムカついた

何か言えよ！

｢邪魔｣

ﾄﾞﾝ！と俺の肩を押してまた湯船に浸かった先輩

邪魔って‥。

隠したばっかりにまた先輩との距離が離れていく

｢先輩‥あのね‥｣


俺が勇気出して声かけた時湯船から上がった先輩

｢俺先に上がるから｣

先輩？

スタスタ歩いて風呂場から出ようとする

｢ちょっと待ってよ!!｣

俺は先輩の腕を掴んだ

｢何?｣

冷たい先輩の目
あの時みたいな目をしていた
あの時あれから別れた先輩は‥

｢嫌だ！｣

いきなり嫌だ！と叫んだ日高

｢日高？｣

俺の腕を掴んだ手が震えていた

｢本当の事話すから嫌いにならないでくれっ離れていかないでくれよっ｣

嫌いにならないでくれって俺は別に‥大袈裟な