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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第38章 その後

「話してみて?先輩」

怖いっ

ふわっと俺の身体包み込んだ日高

「俺ね‥先輩とならどんな事も乗り越えていける気がするんだ。俺は何が何でも先輩から離れたりしないから大丈夫だから。」

「絶対か?」

先輩が絶対か?って聞いてきた

何かある!何があるんだ?

「絶対離れたりしない!」


「日高‥あのさっ‥」

俺は日高に包み込まれたまま話し始めた

「前にも言ったけど‥俺の好きな小説家梨花先生が実はナンパ野郎で‥」

「えっ!?」

やっぱり聞いてなかったのかコイツ‥

「‥‥‥」

「‥‥‥」

また長い沈黙が続いた

それでも話し出した俺

「日高が家出てった後の話なんだけど‥」

「‥‥‥」

「聞いているのか?!」

ビクッとした日高の身体

橘さんが小説家?
しかも先輩の好きな小説家?

「やっぱりいい」

「えっ?言えよっ」

「‥‥‥‥。好きな先生と一つ屋根の下で‥日高お前いなくて寂しくて温もりが欲しくて‥先生とその‥」

まさか?先輩?

「先輩?」

「先生とした」

言ってしまった。したって事

先生としたって言葉だけがリプレーされていく
胸が引き裂かれそうだった
けど俺もした

「そっか」

そっかって
俺を離した日高

「日高?」

「‥‥‥」

やっぱり言うんじゃなかった言わなきゃよかった‥
嫌われた‥失いたくなかった

全てが崩れ落ちる音がした

涙が滲んでくる

静まり返った部屋の中

俺は日高を裏切った
今更どうする事も出来ない事実
けど言ってしまった
もう後戻り出来ない

「先輩‥」

ビクつく俺

「何‥」

「俺もしたんだ‥橘さんとそれに」

《鮫島先輩と》

えっ…今何て言った?
何て言った?
鮫島ともした?
鮫島とした?

「んでだよっ何でだよ!!」

「ごめんね‥本当にごめんね‥先輩ごめんっ!!」

日高の胸ぐら掴んだ
殴らないと怒りが収まらない

「俺も寂しかったんだ‥ゥック‥先輩いなくて先輩が恋しくて温もりが欲しくて‥先輩が好きで‥ごめんね‥っ」

泣いて済まされると思うな!
俺は腕を振り上げた

けど小さくなって泣くコイツを見てたら胸が苦しくなった

寂しくて辛くて温もりが欲しくて強く抱きしめてもらいたかったのは俺も同じだったから

「いつの話だ」

先輩がいつの話だと聞いてきた
胸ぐら掴んだ手を離した先輩

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