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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第40章 芽生え始めた小さな恋の花

朝食をすませ洗い物をしていると

《ワンワンワン♪ワンワンワン♪》

《こら♪くすぐったいだろ(笑)》

《白先輩小野寺さん困ってるよ(笑)》

《モコモコ俺にもしろ!》

楽しい声が聞こえてきた

洗い物なんかせずに無邪気にはしゃぐ小野寺さん俺も見てみたいな‥

そんな事を思って声のする部屋を見ながら洗っていると

ガッシャーン!

「痛っ!!」

お皿を割って指切ってしまったドジな俺

「指切ったのか!?」

え‥

チュ~ッ

さっきまで部屋で遊んでいた小野寺さんがいつの間にか俺の側に駆けつけてくれて切った指を口に含んで‥含んで‥?

「だっ大丈夫ですからっ離してくださいっ!」

ドン!

突き飛ばしてしまった小野寺さんを

「あ‥いや。その‥すみません。自分でできますから‥」

「‥‥‥‥」

何も言わず部屋に戻って行った小野寺さん

きっ‥嫌われた‥

たった1秒たらずの出来事だったのに。

嫌われた‥。

小野寺さんが口に含んだ人差し指がズキズキ疼く

ぎゅっと握りしめた人差し指



「まだ血が出てるだろ」

えっ‥

俺の人差し指を優しく持って消毒した後絆創膏を貼ってくれた‥小野寺さん?

ふーっとため息ついた小野寺さん

「あなたって人は本当に目が離せないな」

小野寺さ‥ん‥。

「ゥ‥クッ‥ッ」

橘さんが俺の胸に飛び込んできて泣き出した

「どうしたんですか?」

「嫌われた‥かと思った‥ごめんなさいゥ‥クッ‥」

‥‥‥‥。

胸で泣く橘さんを片手で包み込み頭を優しく撫でてあげた

「そんな訳ないじゃないですか‥考えすぎですよ」

ヒックヒック肩を震わせ顔を上げ俺を見つめた橘さん

ブラウンの濃い瞳からは大粒の涙がポタリと頬をつたっていた

「泣かないでください」

小野寺さんの暖かい大きな手が頬につたう涙を拭い
優しい口づけをされた俺

ジーーッ。

また視線を感じた背中

ワンワンワン♪

《こらっ白先輩邪魔したらダメだろっ!》

《クウン?》

《モコモコにはまだ刺激が強すぎるからな‥》

《先輩何するの?》

《前足で目を隠すんだ♪あれ?届かない?おかしいなぁ‥モコモコ頭下げろ♪できた!これで大丈夫!》

「ってうわっ!!」

前足で目を隠したモコモコ抱いてもう一度リビングを見たら仁王立ちしたナンパ野郎が目の前に立っていた

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