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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第43章 砂浜デート

温泉に入っていても、気持ちいいですね♪と話しかけても二言三言返事をするだけの橘さん

様子がおかしい

けど橘さんが言わないなら敢えて俺から聞くのはおかしいだろうと思いそのまま温泉に入っていた


「小野寺さん‥先に部屋に戻りますね‥」

先に?

「じゃ私も上がりますよ(笑)」

一緒に上がり土産物売り場に入った俺と橘さん

「小野寺さん?お土産物は明日の朝買えば‥」

「橘さんはいらないんですか?」

「何をですか?」

すっかり忘れていた指輪の事

「‥‥わかりました」

橘さんに背を向け冷たく放ってしまった言葉

小野寺さんが俺に背を向けた

怒った?

何に怒ったんだ?

さっきまで優しかったのに俺には冷たい態度なんかとらないのに

「小野寺さんっ?」

機嫌損ねたのなら謝らないとっ!と思って小野寺さんの肩に手を添えた

「タバコ‥吸ってきます」

タバコ?

部屋で吸えばいいのに…

橘さんを土産物売り場に残しカッとなった気持ちを抑える為に宿の外に向かって歩き出した

「(小野寺さん)‥」

一人置いていかれた土産物売り場

会った時は俺の側を一時も離れない小野寺さん

小野寺さんの言った言葉を考える

いらないんですか?
あっ指輪?!

気づいた時には遅かった。


エレベーターのボタンを上に押しエレベーターを待つ事数分

チン♪

エレベーターがやってきた

開いた扉

「(あ‥‥‥)」

「‥‥‥‥?」

あの時すれ違った紳士的な男と通り過ぎて行った若い男が乗っていた

「どこの階ですか?」

若い男が俺の降りる階のボタンを親切に訪ねてくれた

「あっすみません。5階でお願いします」

?!!!!!

「同じ階ですね(笑)」

私は階を部下に告げたあの時感じた爽やかな懐かしい面影を残す男を見た

何だろ?俺をじっと見てきて?

チン♪

エレベーターが5階に着いた

「成宮?先に行ってくれ」

えっ!この声‥。

「わかりました。」


若い男が先に降りて見えなくなった

嘘‥だろ‥

閉まったエレベーターの扉

「久しぶりだな?」

「え?」

「橘だろ?忘れたのか?俺の事‥」

いや‥忘れるはずがない

俺が初めて愛した男

けど‥

俺の知ってる江崎とは似ても似つかない真逆の風貌をした男

「橘?」

「人‥人違いです‥俺降りないとっ」

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