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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第43章 砂浜デート

「待って!行かないで」

離れていこうとした小野寺さんの腕を掴んで引き止めた

離れていかないで‥

「一人にしないで…」

震える小さな声で引き止めた

「俺は最低な事をした」

「違っ‥小野寺さんは最低なんかじゃない」

橘さん?

「私が悪いんですっ!話すから…だから離れていかないでっ」

橘さん‥

橘さんが掴んできた手をそっと優しく包み込んだ

「‥‥‥。あの人は江崎尚人って言って俺と江崎は昔付き合っていました」

江崎って言うのか‥あの男

「敬語はこの際もうやめないか?俺は橘さんともっと分かり合いたい」

「え?」

「俺達は付き合っているんだろ?だったら本音で話し合うのに敬語は必要ないだろ?」

「‥‥‥‥」


俺を見た橘さんがすぐ顔を下に向けた

終わった関係だと思っていたのに偶然再会して
無理やりだったとは言えエレベーターでキスされた
後ろめたい気持ちから小野寺さんの目が見れない

「それで?」

けど話さなくてはいけない

「江崎とは‥大学の時知り合ったんだ。卒業してからも俺と江崎の関係は続いた‥」

「で?」

重い空気が流れる室内

「それで‥」

「怒らないから話せ」

怖いながらも話し続けた

「しばらくした後江崎と連絡が取れなくなって探したけど見つからなくて俺は捨てられたと思った‥もう終わったと思ったら偶然エレベーターで再会して‥」

「それで?」

言えないっ

固く閉ざした口

「エレベーターで?続きは?」

「だから‥その‥」

またチラッと俺を見た橘さん

「だから?」

「壁に押さえつけられて‥その‥」

「まさかキスされたんじゃないだろうな!」

小さく頷いた

嘘はつけないと思った

ここまで話して嫌われるなら最後まで話して嫌われた方がマシだと思った

立ち上がった小野寺さん

「小野寺さん!待って!」

橘さんにまた腕引っ張られた

「今は小野寺さんが好き!これは嘘じゃない!」

「橘さん?」

橘さんが俺の身体を引き寄せ唇と唇が重なった

「小野寺さんが好き‥」

今にも泣きそう顔して言うな‥

隠さず素直に全て話してくれた橘さん

あの時ホテルで行かないでと言ったのは彼の夢を見て流した涙だとわかった

けど今は俺を好きだと嘘じゃないと言った

俺が待ち望んでいた橘さんからの言葉

初めて好きだと言ってくれた

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