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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第44章 思い出

僕は先に一番最初に兄さんに見せたかった

兄さんが好きなのは日高先輩だってわかっている

だけど鮫島先輩は僕だけを好きなんだよって言いたかったんだ

「なつ兄見て見て♪」

河辺が嬉しそうに左手をヒラヒラさせて走ってきた

「何で鮫島が‥本物で俺は安物‥」

さっきからブツブツ言ってる先輩

「ねー?見て♪」

河辺が先輩の顔の前に左手を差し出した

バカ河辺!
今そんな事したら火に油注ぐようなもんだろっ!

あっ‥そうだ♪!!

「ねーってば!見」

「先輩俺も♪(笑)」

日高先輩が左手を僕に見せるように突き出した

左手に指輪?

「それ‥」

「先輩が買ってくれたんだ♪な?先輩♪」

「日高やめろよっ!」

「何で?橘さんも嬉しいからちゃんと着けてるじゃん♪ね?橘さん?」

「え?あっうん」

橘さんも?

「橘さん指輪先輩と河辺に見せてやってくれよ?♪」

日高君に言われ見せた左手の薬指の指輪
河辺がゆっくり左手を後ろにひいた

わかってくれたみたいで良かった

兄さんに鮫島先輩は僕が好きなんだよ!って言いたくて見せつけたかった指輪

だけど、日高先輩の左手には兄さんが買った指輪があった

そして橘さんの左手にも…

そんな事する必要はなかったんだと思ったら恥ずかしくなってひいた左手

「買ってくれた人の気持ちが大切なんだろ?先輩?」

値段じゃないよ先輩

日高君が買ってくれた人の気持ちが大切なんだと言った

「ナッナンパ野郎はそれでいいのか?」

それでいいのかって‥。

小野寺さんを見た俺
ニコッと笑った小野寺さんと目が合った

買ってくれた人の気持ちが大切

「俺‥俺は‥」

「橘さん?」

小野寺さんがどんな気持ちで買ってくれたのかなんて考えもしなかった

俺は指輪があれば小野寺さんの物になれると思っただけの指輪

「小野寺さんっ!」

「っ!!!??」

橘さんが両手で俺の手を握ってきた

「‥俺…この指輪大切に‥大切にします!」

「え‥?ああ。」

小野寺さんは俺の事を愛してくれているから買ってくれた指輪なんだ

なのに俺は‥小野寺さんごめんなさい

「な?先輩?(笑)」

「(う‥。)そっそれより食うぞ!」

「うん♪」

日高の言うとおり値段より気持ちが大切なんだってわかったら恥ずかしくなって
鍋の具を勢いよくかき込んだ

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