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猫科男子との生活 。

第9章 野良猫には注意が必要です、油断するとーーー…





− ある野良猫 さいど。 −



…琉月、さんとは仲がいい…はずだ。


でも、ここにきて、漣の隣で微笑む琉月さんを見たらへんなイラつきがある



【琉月】この名前が呟かれる…彼女の口から零れる度イラつく


胸が苦しくなる



要するに"嫉妬"



そういうことなのかな、でも、俺、そういう感情を否定して押さえ込む、なんて無理みたい




漣「これもねー、琉月が」




大学入ってからも入る前も"猫"って呼ばれてたんだ、俺



周りと関わるのが面倒でいつも無口



なのに、気紛れで人の所有物を盗む


人に飢えた泥棒猫−−…





漣「夢斗ー? あ、もしや疲れちゃった!?」




目の前にいるのは初めて俺から心惹かれた人で



初めて一発で心を盗めなかった人





漣「おーい…ぇ…?」




トンッと軽く彼女の体を押す


すると柔らかなカーペットに尻餅をつく彼女



右手で右手首を、左手で左手首を−−…猫がこんなことするなんて反則、かな?



でもきっとね、今まで望んでないものが望んでなくたって手に入ったから



本当に望んだものを盗む方法がよくわからないんだ





漣「ど、うしたの…?」




夢斗「さっきから琉月琉月煩いんだよ


それともこの状況さえわからないの?


それだけ…大切にされてたんだ?」



むかつくんだよ


もどかしくて



とっとと俺のモノになってよ



漣「−−ッ」


あぁ、そうだよね



自分のモノなんて傷つけたくないもんね−−…?



綺麗なままで。






漣の首筋に爪を立てる



赤い−−痕に。



琉月が自分の所有物だって象徴してるかのような痕に



消したい




その一心でその首筋に唇を軽く痕につくように重ねた

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