テキストサイズ

あなたの執事

第9章 嫉妬

部屋に入ると、大きい窓から月の明かりが差し込む



「……ゆい」



低い声が響き、あたしは驚いて声のした方を見る



「……り、龍!」



怖い顔をした龍が、ベットに腰掛けている。


急いで時計をみると23時50分…


あたし、そんな長い間シンと図書室に居たんだ…

もしかして龍ずっと待ってたのかな……?



「こんな時間までどこにいってた?」


明らかに怒ってる声…


「と…図書室」


龍が怒ることは、滅多にない。
怖くて思わず声が震えてしまった


カツカツカツ…

龍が目の前に立つ


「こんな時間までひとりで?

…それとも…」


「誰かと?」


あたしは下を向きながら

「夕食後…本が読みたくなって図書室にいったの…。そしたらたまたまシンがいて、おしゃべりに付きあってもらったの」


「ふ〜ん…こんな時間までねぇ」


見下ろされる威圧感


こ、こわい……

あたしは手のひらが汗ばんでいくのを握り締める



「普通におしゃべりを?」



図書室で抱き締められキスしたことを思い出しギクッとする

「もちろんっ他になにがあるってゆうの」


ははっと笑いながら、龍の横を通りソファのほうに向かおうとする

ストーリーメニュー

TOPTOPへ