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あなたの執事

第4章 気まずい朝

ん……

目が覚めると日が高く昇っていた


なんだか頭がぼー…っとして寝返りをうつ


…コンコン

「失礼します。ゆい様」

カチャっとドアがあく。


聞き慣れない声…

重たい体を起こしドアのほうをみる


そこには、昨日から屋敷にきた新しい執事の青年がこっちに向かって歩いてきている



「ぁ……えっと……」



「おはようございます。ゆい様。紅茶をお持ちいたしました」


シンは、ベットの横で紅茶をいれる準備をする。


「あ、ありがとう。」

「えっと…いつもなら爺やがきてくれるんだけど、爺やはどうしたの…?」



シンは、紅茶を入れながら

「藤原さんは、旦那様の御用事でお忙しいので私が代わりに参りました。」


藤原とは爺やの名前である。


「あ、そうなんだ…。」



入れてくれた紅茶を受け取ろうとしたとき、シンがピタッと手を止めた

視線が、あたしの胸元をみている



「…え?どうしたの…?」



思わずあたしも自分の胸元をみると
ベビードールから薄っすらと胸が透けていて、しかも生々しいキスマークがついている


「?!」


な…なんでキスマークが?!!

恥ずかしさと驚きで紅茶から手を離してしまった


ガチャッ!!!


「熱ッッッ!!!」



シンもハッと気が付き、慌ててあたしの手をとる



「大丈夫ですか?!ゆいさま!!」


シンは、紅茶がかかってしまったあたしの指を口に含んだ


「…つ!」

体がビクッと揺れる



シンは指を口に含み必死に舐めている


「…ぁ…ぁの…シンッ」


真っ赤になってシンから指を離そうとすると


シンは、ゆっくりと指を口から出した…



「ゆい様、私の不注意で申し訳ございません…」


とても申し訳なさそうで、どこか悲しげな表情をするシンにあたしはまた言葉を失う。


「そんなに薄着では、風邪を引いてしまいます。」


ベット傍のソファからガウンをとって羽織らせてくれた


そしてシンは、またキスマークを見ている。



あたしは、バッとガウンで胸を隠し、シャワーを浴びると言い部屋を出て行った。



「ゆい様……。」


シンは、なんとも言えない表情で立ち尽くし、零れた紅茶を片付けるのだった。

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