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For BL lover ・短編集:)

第1章 1・家庭教師

あの言い合い以降、いつもみたいに
馬鹿優斗って言いながら部屋にくると思っていたのに

綾斗は姿を見せず何日も経った


「母さん、綾斗は?」
「さー、バイトじゃない?あんた、綾に家庭教師やるなって言ったんだったら、これからは自分で勉強するのよ?」

え、本当に終わり・・?


あー、俺ツイてねーなぁー・・・

そう思いながら、二階の部屋に戻り窓から外を見ると綾斗の姿があった


あ、綾斗・・・・
久しぶりに見た・・かっこいいな、
・・・え、女・・・?


わ、キス・・・


綾斗が


女にキスした・・・



っー!!!!!
俺なにやってんだろ。かまってほしくて反抗して、逃げられた挙句あいつのキスシーン見ちゃうなんて

も、やだ

布団をかぶり拭いても拭いても出てくる涙を拭う
どーせ、俺は変だよ
兄貴が好きな変態なんだよ



もう本当に勘弁してくれ

そう思いながら泣いていると扉が開いた

「優斗。は?寝てんの?勉強しろよ。ったく・・・おい。起きろ。」

そう言ってベットに綾斗が腰をかける
俺は布団の中にうずくまっていた

「っ、起きれない!!!」
「はぁ?起きてんなら出て来いよ。勉強しねーの?」
「っも、・・・無理だっ、て、っく、・・言ってんだろ!!」
「 はぁ?めんどくせーな。まだ反抗期やってんの?ガキだな。」

ズキッー


めんどくさいだろ?


だから、あっち行ってくれ



そう思っていると、布団の上から抱きしめられる


「は?ちょ、何やって!!!」
「あー、顔見えた。本当に泣いてた?もしかして俺のキスシーン窓から見た?」
「え、・・・ちが、う!!!勘違いすんな!!!」
「どっちがだよ。優斗さー・・・そんなに俺が好き?」
「も、なに!?からかうなって!!!」

ギシッと俺の手首を押さえつけ
完全に上にのしかかりながら聞かれる

「心臓ドキドキいってるけど?なんで?」
「っ、も、・・・それは、・・・も、綾斗意地悪だから、嫌い」
「・・・・・そーだよな。お前は俺が嫌いだよな。ったく、勉強しろよ?」

そう言ってフワーっと綾斗の匂いが遠ざかり
綾斗が、俺から離れて行く

っ、も、俺・・・溢れ出しちゃうからっ、
本当は行かねーでほしーのに


っ、俺


本当に意地悪でムカつくけど

綾斗が、好きだ

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