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俺の運命の相手が、男だった件について。

第2章 イケメンだった件について。

「……自分が副担しているクラスに来ることは……いけないことなんでしょうか?」

「あ……」

そっか、失敗した。

コイツの話を、教室で自分の席に座りながら普通にしてりゃ…

聞こえてもおかしくねーか…

ついでに、コイツがこの教室にいても不自然じゃないよな。

無言で納得する俺を、相変わらず何を考えてるのか解らない笑顔で見つめ、誤魔化されない、と言わんばかりに話を戻す。

「…それで?その"胡散臭くて"気持ち悪い"というのは…僕の事ですか?」

ニッコリと微笑んでいるはずの柊だが…

目が笑っていないように見えて、何処か不気味だ。

「…え、えと…」

「…んで、そんなことお前に言う必要があるんだよ?」

しどろもどろに目を泳がせる玲に変わって、今度はおれがそっぽを向きながら答えた。

そんなに挙動不審だと、「はい、そーです」って言ってるようなもんだろーが。

玲の素直なところは好きだが、こーゆうときぐらい上手くやってほしい。

「つか…授業はじまんだろ。お前は科学の教師なんだから、さっさと前に行けよ。」

頬杖をついたまま、不機嫌なのを隠すことなくいい放つ。

一時間目から、コイツの授業というだけで厄日だが、今は面倒くさい事にならないよう、それを理由に突き放す。

俺の席は、窓側の一番後ろ。玲はその前。

お世辞にも、前の方とは言えない。

「…それもそーですね。海津くん。

…あとで、科学準備室に来て頂けますか?頼みたい事ができましたので。」

「…はぁ?」

柊の言葉に思いっきり顔をしかめて、見返すが、既に背中を向けて歩き出していた。

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