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俺の運命の相手が、男だった件について。

第3章 ありえない脅しの件について。

「…ま、お喋りはこのくらいにしとかないと…海津くんに帰られてしまいそうなので。…頼みたい事、というのはですね?」

言葉を区切り、勿体ぶったようにゆっくりと話す。

「科学係…まぁ、言ってしまえば"僕の専属"お手伝いさんをやって貰いたいと思いまして。」

「お断りします。」

「いやー、即答とは。ホントに君は僕の予想を裏切らない。」

コイツ専属だ?ふざけんな。

予想だにしなかった頼み事ではあったが、聞いた瞬間、反射的に言葉を返していた。

それを聞いても尚、満面の笑みでいる目の前の男。

断られたと言うのに、何故か余裕の笑みを称え嬉々として話している。

「……海津くん。確か君には…海津和華(ワカ)というお姉様がいらっしゃいますよね?」

「……はぁ?」

確かに俺には、八歳ほど歳上の姉がいる。

だが、何でコイツがそんな事を知っているのかも、今の話に何の関係があるのかも…

俺にはさっぱり解らず、首を傾げる事しかできない。

「フフ…お姉様…つまり、海津さんとは同じ大学だったんですよ。
海津さんも教師をしていますよね?

…割と仲良くさせて頂いていたのもので。」

「…だから何だよ。」

コイツの告白に、1つ疑問は解けたが、今の話との関係性は未だに謎のまま。

嫌な予感しかしないのは、どうか気のせいであって欲しいと願い、とうとう俺は答えを求めた。

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