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俺の運命の相手が、男だった件について。

第3章 ありえない脅しの件について。

「いえ?だから何、というような事は特に無いのですがね?

……海津さん、君の事が本当に可愛くてしかたなかったようで。

僕によく、話してくれていたんですよ。君の事。」

「……え…姉ちゃん、が?」

「はい」

おそるおそる聞き返す俺を楽しそうに見る柊。

いちいち間を置いて話すところから、俺の反応を楽しんでいるのが嫌でも伝わってくる。

「ええ。…そうですねぇ。例えば…小学生の頃にお姉様から貰ったクマのぬいぐるみ。手作りの誕生日プレゼントで嬉しかったんですか?

…今でも枕元に置いて眠っている。とかね。」

「あっ…アイツ…なんて事を…っ///」

「おや?その様子からして、どうやら本当の事らしい…

では、きっとあの話も…」

「うわあぁぁっー!やめろやめろやめろーーっ!!」

完全にパニクって冷静さを欠いた今の俺には、知らないふりをするという考えが出てこなかった。

「フフ…クッ…そんなに叫ばなくても…ハハッ解りましたよ。ここで海津さんから聞いた話を全て貴方に教えて…

君の恥ずかしがる顔を存分に味わうのも悪くはないですが…

それなら少々勿体ない気もしますからね。
楽しみはとっておくのも、悪くない。」

口許に手をやり、クスクス笑う柊から発せられた言葉に、悪寒が走る。

「な、何キモい事言ってんだよ!」

「…はて、いつ僕がそのような事を?」

さっきまでは可笑しそうに笑っていたはずが、次はキョトンとして俺を見ている。

あー、くそっ!
顔がいいってのは得なもんだな!

少し可愛いとか、気持ち悪い事を思ってしまった自分を今すぐにでもぶん殴ってやりたい気分だ。

「…では、もう一度お聞きしますね。
"僕の"…"僕専属係"になって頂けませんか?」

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