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俺の運命の相手が、男だった件について。

第3章 ありえない脅しの件について。

「アンタ!柊が誰かに興味を持つなんてものすんごーーくっ!珍しいことなんだから!」

「…そ、そーなのか…?」

「ええ!」

姉の何かに火をつけてしまったらしく、姉ちゃんは熱く語りはじめた。

「あの…何処か壁を感じる柊に…
誰にでもわけ隔てなく敬語で話す柊に…
笑顔が胡散臭い柊に…
人を斜め上から見ているような柊に…
かと思えば、自分の事を下に見すぎている柊に…」

よく意味も解らなければ、特に関係のないことを言っている姉ちゃん。

あ、胡散臭いには共感するけど。
あと、人を斜め上から見てるってやつね。

「ま、とりあえず、何もかも諦めたみたいな奴で、何にも興味を示さないって事なんだけど。」

「最初っからそーいえよ!!」

そう思えば、あっけらかんといい放った姉に、俺は思わず叫んだ。

「ごめん。ごめん。」

申し訳なさそうに、笑われると…何も言えなくなってしまう。

怒るに怒れず、俺は米神をぽりぽりとかく。

「…いいけどさ。…姉ちゃんからも何か言ってやってよ。仲…良かったんでしょ?」

「え?仲?…んー、そうねぇ…そこら辺のやつよりは話したほうかな。」

俺の問いかけに、人差し指を顎に当てる。という、何とも"らしい"ポーズで思い出すように天を仰いだ姉は、

「で?何て言えって??弟を宜しくって??」

次の瞬間にはバッと目を輝かせて俺を見る。

ルンルンで手なんか組み、理解不能な事を聞いてきた。

「なんでそーなんだよ!」

「だって…だって!!まさか自分の弟がイケメンとそんな萌え展開になるなんて!!

しかも…BL+教師と生徒って……
この世の萌えを凝縮したようなモノじゃない!!」

「姉ちゃん…目がこわいよ…」

熱く目をたぎらす姉は、拳を握りしめて燃え盛っている。

そんな姉にすっかり、怖じ気づき、俺はゆっくりと後退すると、一気に姉の部屋を後にした。

ドアを閉める時、背中から「頑張んなさいよ!我が弟!」と聞こえたが、気にしないことにする。

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