無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「はぁ…」

あの様子だと、姉からは下手に何かして貰わない方がいいだろう。

姉のまさかの戦力外通告に、ガックリと肩を落とす。

…とりあえず、玲に今すぐ電話だな。

今日の事を全て話す相手を間違っていた。

今となっては、玲だけが頼りだ。

今後の対策と傾向を一緒に話そうと、俺はポケットの中のケータイへと手を伸ばす。

─ﾄｩﾙﾙﾙﾙ…ﾄｩﾙﾙﾙﾙ

二回程、コール音がなり、玲の声が聞こえた。

「もっしー？朔かぁ？」

何とも間延びした声に、コイツしか頼れる奴が居ない自分が情けなく思えて、頭に片手をつき、ため息を吐いた。

「んだよー？つか、今日どーだった？」

少し楽しんでいるように聞こえるのは、気のせいだろうか。

「あー…うん、それがさ…」

疲れきった声で、今日の出来事を姉の事も含め、ゆっくりと話した。

「うわー！まぢかよ！和華さん、腐女子だったんか！？」

「んぁ？何だソレ」

話終えた直後、玲は残念そうな声を出す。

その残念そうな声で叫んだ単語の意味が解らなくて聞き返すが、「ま、ソレは置いといて…」と、話を変えられた。

「…その、"僕専属係"とかさ？完全に求愛じゃん？…和華さんも言ってたんだろ？人に興味を示すのは珍しいって」